【レポート①】子ども向けふすまワークショップ!~調布の幼児教育施設にて~

2024年2月、私たちは新たな挑戦をしました。

それは…

“子ども向けの襖ワークショップ”をやること!

東京都調布市にある児童発達支援事業「すこっぷ」様にご依頼いただき、土曜日クラスにてワークショップを開催しました。

「すこっぷ」様では、発達面で配慮が必要なお子様(就学前の幼児)を対象にしてさまざまなサポートを行っています。人生の土台となる幼児期のお子様を対象として、お子様の自己肯定感と個性的なセンスと才能を高めるために毎回さまざまな分野の講師が楽しいワークショップを行っているそうです。

すこっぷ様のホームページはこちら

今回、襖クラブでは2月の講師を担当させていただきました。その様子を3回に分けてレポートします!

※すこっぷ様から写真の掲載許可をいただきました。

はじめての子ども向けワークショップ

私たちは毎年、学園祭では襖の張替実演を行っています。実際に張り替えをする傍らで解説を行うスタイルですが、主に大人向け。

子ども向けのワークショップは初めての試みだったので、新たに内容を考えなくてはなりませんでした。

※過去の学園祭についての記事はこちら

第74回駒場祭

2023年11月24日(金)、25日(土)、26日(日)、東京大学駒場Iキャンパスにて、第74回駒場祭が開催されます。東大襖クラブの企画では、襖の張替実演と障子破り体験を行い…

今回参加したのは6名の部員たち。学部生~博士課程の学生まで集まりました。

名札に年齢を書いたのは、5歳児との共通の話題が好きな食べ物と年齢くらいしか思いつかなかったから

2月の第1週〜第3週目の土曜日に、1時間のワークショップを計3回行うことになりました。

みんなで悩みながら考えた内容は以下の3部構成です。

  • 【1日目】ふすまとかみについて
  • 【2日目】かみをつくろう
  • 【3日目】ひとつだけのふすまをつくろう

そもそも、

「今の子どもたちは襖を知っているのか?見たことがあるのか?」

というのは私たちの純粋な疑問でした。

和室は確実に減少していますし、集合住宅からも襖が姿を消している今日このごろ。

まずは「襖」とは何かを知ってもらおう!というところから企画がスタートしました!

そして私たちが伝えたいことの一つに、

「紙と自然のサイクル」

がありました。

和紙は植物の繊維から作られ、自然の一部です。

そして、襖や障子は破れても紙を張り直すことでまた使うことができます。

SDGsが叫ばれる中、襖の活路はここにあるんじゃないか?

子どもたちに襖に親しんでもらうことで、次の世代に襖の魅力を伝えられるのでは?

そんな大きな野望とともに、ワークショップがスタートしました。

ふすまってなに?

参加してくれたのは、来年度から小学校に入学する子どもたち。

各回でそれぞれ6〜9人が来てくれました!

最初は自己紹介からスタート。

阿部さん(施設長)「先生たちの名札についている数字は、何かな〜?」

お子様「頭の良い順?」

なるほど。

初手から子どもの柔軟な発想力にうなりつつも、各自自己紹介をしていきます。

ゆうちゃん(26)「ゆうちゃんです!26さいです!好きな食べ物はカレーです!カレー好きな人〜!」

子どもたち「はーい!!」

好きな食べ物の話は受けが良いようです。

よっち(25)「好きな食べ物はたこやきで〜す!!」

いけちゃん(22)「ハンバーグです!」

めぐめぐ(21)「うどんです!」

子どもが好きそうな食べ物で一通り媚を売ったところで、襖について紹介します。

実際の襖をもってきて、見てもらうことに。

鴨居と敷居は段ボール等で製作。人間柱となって襖を支えます。

紙が重なっている構造を実感してもらうために、襖を破いてもらうことにしました。

襖は表紙・下紙・骨紙、と何層も紙が重なっていることで、吸湿性や保温性があり、四季のある日本に適した建具なのです。

子どもたち、どんどん破いていきます。躊躇なし。

最終的に、木製の骨まで見えた状態になり、ふすまは木と紙でできているということを見てもらいました。

かみってどうやってできているの?

続いて、紙が何から作られているのか、みんなに説明します。

よっち(25)「かみはどれからできているかわかるかな?」

紙が木からできていることは、みんな知っていた様子。

よっち(25)「紙は、木をぐつぐつ煮たものを使って、つくられているんだよ」

紙漉きの動画も見せると、子どもたちはじっと見ていました。

ということで、みんなで紙を作ります

かみをつくろう(下準備)

ワークショップ2日目に、紙漉き体験をしてもらうことにしました。

そのための材料の下準備をやっていきます。

襖紙には新鳥の子、手漉き、織物など、さまざまな種類があります。

今回はたくさんの紙を触ってもらい、違いを感じてもらいました。

色も触り心地も違ういろいろな襖紙を、小さくちぎって水に浸けていってもらいます。

この作業は子どもたちはかなり集中してもくもくとやってくれました!

私もやってみましたが、細かくするのに必死になり自然と集中してしまう作業でした。ちぎるごとに煩悩が消えていきそうです。

次回はこれを使って紙をつくるよ!といったところで、1日目のワークショップが終了しました。

次回、紙をつくる!

準備段階では子どもたちの興味を引くことができるか不安でしたが、かなり食いついてくれたので嬉しかったです!

2日目はいよいよ紙漉き体験をします。ちぎった小さな紙が、はたしてどう生まれ変わるのでしょうか?

レポート②につづく!